ハロー、ヒーロー

生存と感情のきろく場所。

処方箋を出さない診療所 #4(出張版)

「うあーー!!」

「こんばんは、他の患者さんや医師の迷惑になるので叫ぶのはご遠慮ください。今日はどうなさいましたか」

「すみません。さすがに外で叫ぶと不審者なので」

「部屋の中でも、他人の前で叫べば不審者ですよ」

「かかりつけの医者って他人なんですか?」

「この世の中に、自分以外の他人でない人間はいません」

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それを恋と呼ばないでほしい

 どうかそれを、恋と呼ばないでほしい。



 推している俳優さんの、30歳のバースデーイベント。
 その最後、舞台上からその人がいなくなっても、わたしはずっと泣いていた。むしろ、本人がいなくなったのをいいことに、思い切り肩を丸めて泣いた。
 嬉しいとか寂しいとか悲しいとかじゃない。たぶん一番は、悔しさの涙だった。


 これは推すことにまつわる話ではありません。イベントのレポでもなく、タイトルから期待するような内容でもないと思う。
 それでも書いてみたい。ほとんど自分の話です。自分の情けなさの話、夢の話、感情の話。
 後悔をする人生でありたいと、自分を信じ切りたいと思った話。

 わたしは普通という言葉があまり好きじゃないけれど、今日はいっぱい使うと思う。
 上手く表現できなくてごめんなさい、でもその意味がこれを読んでくれた人に、まっすぐ伝わってほしいなと願いながら、言葉を尽くします。

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親愛なるわたしの音楽へ――BIGMAMA「We Don’t Need a Time Machine 2020」

 開演5分前、いつも配信の時はバタバタとしてしまう。この数ヶ月、慣れてきた、とはまだまだ言えそうにない。
 部屋に走り込んで、飲み物を置き、リストバンドとラバーバンドを身につけた。家でもするのかって? 関係ありません。これで、「ライブハウス」に突入する準備は整った。
 入場画面では、針の音が鳴り響いていた。


 いつもの音楽が流れる。暗いステージに彼らが現れる。ただただ期待があった。
 曲が始まると、わけもわからない、熱とも振動ともとれる何かが湧き上がってきて、視界をにじませ、眉を歪ませた。
 音の出ない嗚咽が漏れてしまいそうで、口元からタオルが動かせなかった。


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 BIGMAMAの配信ライブ、「We Don’t Need a Time Machine 2020」を見ました。


 普段のわたし、舞台のおたくをしていることが多いのだけれど、ここに来る前はとある二次元のアイドルコンテンツに人生を変えられていて、そのもっと前は、彼らの音楽に人生観を乗っ取られていた。


 ここ数日、そんなわたしの人生を変えたコンテンツたち、このご時世の中、また彼らの新しいものに触れる機会をもらっていて、そのお祭りの最終日に見た、BIGMAMAの配信ライブについて、思ったことを残しておきたいなと思いました。
 普段と少し毛色が違うけれど、相変わらず日記のようなものなので、ゆるりと読んでいただけたら幸いです。

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劇場オタクって楽しいよね! の話

 舞台というものを知ってから、そこそこの年月がたちました。
 色々これまでの趣味を振り返る中で、いつかやりたいなと思っていたものについて、腰を上げることにしました。

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推しているひとから「LGBT」という単語を聞いた話――『Reading♥Stage 百合と薔薇』

 推しているひとの口から、LGBTという単語を聞くとは思わなかった。
 そして、おそろしいと泣きながら、自分の気持ちのかたちまで考えてしまうとは、思わなかった。

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